詳しくは存じ上げないのですが、ケンコーコムさんが頑張っておられたようです。
今回の判決で最も納得がいかないのは、「対面販売とネット販売を比べると情報提供の難易、実現可能性に有意な差がある」と断じていることです。その理由として、例えば、
- 対面販売では、購入者の年齢、性別、体格、身体上の特徴、顔色、表情、行動、態度やしぐさ、声質や口調を見聞きできるのに対し、インターネット販売ではそれらが困難である、あるいは購入者の申し出の場合は自己申告だからその申告内容の真偽の確認が著しく困難である。
- 対面販売では、有資格者は名札で表示されているので確認できるが、インターネット販売では応対の相手が本当に有資格者であるか確認できない。
- インターネット上で、禁忌事項に関するチェックボックスを設けたところで、それを正しく理解しているかわからない。
- 対面販売で例え、実際の使用者が購入者以外のものであっても、対面販売であれば、購入者から情報をしっかり聞き取ることができるが、インターネット販売では購入者の自己申告に基づくしかないので、虚偽の申告を見抜けない
どうも、対面販売とネット販売の比較が争点になっているようですが、今の時代、ネット販売だって対面販売できるでしょう。ビデオチャットの機能をウェブサイトに組み込んで、医薬品を購入する際には、必ず薬剤師などの有資格者とのやり取りを経るようにすれば良い。
この場合、購入者側にはウェブカメラやマイク、あるいは iPhone といったデバイスが必須になりますが、問題はネットで完全に医薬品を購入できなくなることであって、購入の手段が存在するのであれば、後はネットで購入するかどうかは購入者自身が判断すれば良いのです。もちろん、定期的な医薬品の購入者などに対しては、ビデオチャットの設定を代行してあげるサービスなども考えられるでしょう。
また、さらに言えば、ネット販売の場合はビデオチャットでのやり取りを全て保存できますし、対面する購入者が今まで何を購入してきたのかという履歴もすぐに確認できるので、ある意味では、従来の対面販売よりもより安全に医薬品を販売することだって十分可能なはずです。(ちょっと宣伝ですが、この程度の仕組みは仮にウチだったら数百万以下で実装、提供できます。)
そういうことを踏まえると、私はもちろんネット販売側の味方ですが、従来のドラッグストアなどはきちんと対面販売をしているのか?、みたいなネガティブな面を争点にするのではなく、ネット販売ではより安全な対面販売が可能なんですよ、といったポジティブな面を実証していくことが必要なのではないか、という気がしています。(あるいは、ビデオチャットを経るネット販売は既に認められていて、ネット販売側がその運用を渋っている、ということなら話は違ってきますが、、、多分そうではないと思います。)
まあ、何はともあれ、ケンコーコムさん頑張ってください。