日本のウェブをどげんかせんといかん、というのは半分本気、半分冗談ですが。
ブロードバンドが普及し、TechCrunch Japan などの翻訳メディアや Twitter などのソーシャルサービスの露出が増えるに伴い、いわゆるウェブサービスという分野については本当に国境というものがなくなってきたな、と実感する今日この頃です。
ほんの 5、6 年前までは既に Google などの大手の台頭はあったものの、基本的に多くのユーザーは国内で展開するサービスに拘束され (というか満足し)、あえて海外のサービスに手を出してみる、といったユーザーはごく少数だったのではないかと思います。
それが最近では、メールなら Gmail、ストレージなら Dropbox、メモなら Evernote、ライブ配信なら Ustream、コミュニケーションなら Twitter、クラウドなら Amazon EC2 みたいに、少し大袈裟ですが、ふと気が付いたらいつも使ってるのは海外のサービスばかり、ということも十分にあり得る状況です。
今はまだ、言語やカルチャーのバリアで守られているような CGM、もしくはガラパゴス携帯といった環境で守られているようなサービスにまではなかなか及びませんが、まずは非言語的なツール系のサービスから国境がなくなり、いずれその他の分野についても国境はなくなっていくでしょう。ごく最近でも mixi のサン牧 (中国発) が流行ったり、まだ日本語化もされていない foursquare などの位置情報サービスが Twitter のタイムラインを賑やかにしていることを考えると、それはもう本当に遠くない時期にやってくるのかもしれません。
そうした中、ツール系の得意なハートレイルズは、だからこそ、今後は世界向けのサービス (もしくは国際化) を大切にしていきたいと考えています。仮にハートレイルズが日本語のサービスしか提供しないということは、日本のユーザーは海外のサービスとハートレイルズのサービスを比較することができる一方で、海外のユーザーにとってはハートレイルズのサービスが比較の対象にも入らないという、この上なく大きな機会損失だからです。(海外のユーザーが日本語のサービスを使うのはその逆に比べて稀です。これは、多くの日本人は英語を学びますが、その逆が少ないことからも明らかでしょう。)
今までの経験上、ハートレイルズのような小さな会社のサービスでも海外のメディアに取り上げてもらうことは十分可能であり、そうした露出の際にユーザー数を大きく伸ばせるかどうかは、(特にツール系の場合は) サービスそのものの完成度に依っている部分が大きいと考えています。なので、ハートレイルズとしては、今自信のある技術分野をより掘り下げて、世界一の完成度だと自負できるようにした上でサービスをリリースする、ということが、今後の世界向けサービスの基本的な方針になります。(その方針に則った第一弾のサービスを今春のリリースに向けて今開発しています。)
ユーザーにとっては国なんて関係ないよ、というのは最もな話ですが、もし今後の 10 年で本当に海外のサービスばかりが日本のウェブの主役になってしまうようなら、日本の未来は色んな意味で明るくないでしょう。最近はヌーラボさんの Cacoo などがきちんと国際対応しており今後に期待が持てますが、ハートレイルズも含めて、まだまだそういった世界に挑戦する企業やサービスが増えていかないといけないんじゃないか、と感じています。とはいえ、口だけ君になっても仕方がないので、ハートレイルズとしては、仮にニッチな分野だとしても少しづつ成功事例を積み重ねていくことに集中するつもりです。
以上、一緒に世界に挑戦したい企業さんがいらっしゃいましたら、ぜひご連絡ください。コラボなり共同開発なり、色々できるのではないかと思います。(もちろん、挑戦に失敗する可能性もたくさんありますが。)