[映画][コメディ] 『ビール・フェスタ~世界対抗・一気飲み選手権』
世界最大のビール祭とされる、ドイツはミュンヘンのオクトーバー・フェスト。その裏では、真のビール飲みたちが集まり競う秘密のビール祭、ビール・フェスタが極秘裏に開催されていた。そうとは知らずに迷い込んだ主人公のアメリカ人たちは、ドイツ人選手たちから散々に侮辱されて追い返される。来年のビール・フェスタで見返すべく、五人のチームを結成し、ビール飲みの厳しい特訓を重ねる主人公たち。挫折や過去のトラウマ、ドイツからの刺客、仲間の死を乗り越え、彼らは再びビール・フェスタの舞台に立つ。
という、久々にB級低俗コメディを。全く期待せずに見始めたら、意外にも、下品、下劣、下等と三拍子揃った上質なコメディ映画だった。挫折→チームの結成→立ちはだかる困難→チームの成長→最終決戦と、王道展開をきっちり押さえており、バカバカしい設定ととんでもない種目(例:2リットルくらいありそうなブーツ型ジョッキに入ったビールを早く飲み干した方が勝ち。一気飲みがデフォルト)さえ除けば、普通にスポーツ映画として通用しそうな内容だ。
全体的によくできた良作ではあるものの、このスポーツ・コメディというジャンルには『ベースケットボール』『ドッジボール』といった金字塔が立ちはだかっているため、ベストとは言いがたい(特に「無駄に予算をかけている」感が無いのは、このジャンルにとっては致命的だ)。だが、もしビール飲みコメディというジャンルが存在すれば、この映画は間違いなく世界一と言えるだろう。なお、ギャグの方向性は、ファレリー兄弟あたりがOKな人なら全く問題無いあたりのライン。