[本] ジョージ・ドーズ・グリーン『ケイヴマン』
ニューヨーク市内の洞窟に住み、「世界はY光線に汚染されている!」等の妄想を抱く、元ピアニストのパラノイア・ホームレス、通称ケイヴマン。ある日、洞窟の前に打ち捨てられた死体をきっかけに、ケイヴマンは「陰謀」を暴くべく調査を始める。という、ミステリー作品。ホームレス、パラノイア、ホモ、現代芸術家等々が登場し、異様な展開になるのだろうか。と思いきや、意外なくらい普通にまとまっているので、色物を期待すると肩すかしを食らう。まあ十年以上前の作品だし、ジェームズ・エルロイやア-ヴィン・ウェルシュやチャック・パラニュークの作風が今や普通となった現代では(いや、パラニュークは現代基準でも変態の部類かな)、ちょっと分が悪い気がする(★★★)。