January 27th, 2008
2007年最高のゲームの一つと名高い海外FPS、”BioShock”。日本のXbox360版は来月だが、一足早くPC版でプレイしてみる。
海底都市が舞台のFPS、ぐらいの予備知識しか持たずに始めたけど、これはすごい。とにもかくにも、そのレトロでスチームパンクな世界観が素晴らしく、他に類を見ない独特の雰囲気を醸し出している。システム的にも、通常武器の他に超能力による攻撃や遺伝子強化(スロット制)、金を貯めて武器を買ったりアイテムを合成したりと、変にオリジナリティのある(しかし世界観にマッチした)要素が満載。昨今のFPSはもう大体パターン化されてきた感があったが、”Bioshock”は見事にそれらのステレオタイプから一線を画している。
ただし、難点が無いわけではない。ゲームの長さに比べて敵のバリエーションは明らかに少なく、戦闘は単調になりがちだった。ギミックが出尽くした後半は展開にも映像的にも目新しさが少なく、飽きがちだった点は否めない。あと、ゲーム全編を通じて世界観がほぼ完璧に統一されているのに、ラスボスだけそこから浮いたビジュアルなのはちょっとどうかと思った。
とは言え、”Halo 3″や”Orange Box”と並べても遜色ないぐらいの出来なのは間違いない。シングルプレイ限定ではあるが、FPSファンならプレイしておくべき作品だろう。
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January 8th, 2008
VALVEの最新作セット “The Orange Box” の一つ、“Portal” を。
”Half-Life 2″ ではアイテムを引き寄せたりする重力銃が追加されたが、今回は壁や床に二つのポータルを設置する新兵器が登場。その二つのポータル間をどこでもドアのように行き来できるという、とんでもないシステムになっている。重力銃のときはたいした使い道が無かったが、今回のポータル銃は移動手段そのものに関わるため、FPS としてのプレイスタイルを覆すようなインパクトがある。いや、正直こんなに異色のゲームになるとは思わなかった。エンジンはほとんど “Half-Life 2″ のままに見えるのに。
主人公はある研究所の被検体で、ポータルを頼りに各ステージの脱出方法を探るという、アブストラクトなパズルゲーム。と油断していたら、終盤はいかにも “Half-Life” 的な方向に展開し、短編ながらシングルプレイとしての満足度も十分。この一作で終わらせるのはあまりに惜しいギミックなので、ぜひとも “Half-Life” 本編に取り込んでほしいところ。(”Episode Two” でそれらしい伏線があるので、ひょっとして次回作で?)
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December 26th, 2007
『ヘルゾンビ』。原題は “The Plague”。酷い邦題だが、ゾンビと名がつけば『ゾンビパパ』だろうが『ゾンビ自衛隊』だろうが、ゾンビ映画ファンは観るとでも思われているのだろうか(まあ観るけど)。僕もとりあえず観てから、クライヴ・バーカーがプロデュースに絡んでいることに気づいた。
子供たちがゾンビ的に大人たちを襲う、言ってみればそれだけの話だが、低予算っぽくもうまく終末感を出しており、テンポもそれほど悪くない。ゾンビ映画が好きなら、それなりに楽しんで観れるはず。ただ、全ての謎を放り投げたようなオチはどうかと思う。『怒りの葡萄』と言われてもなあ。
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December 13th, 2007
『星を継ぐもの』『終局のエニグマ』等で知られるJ・P・ホーガンの、一風変わった時間系SFの中篇。ニューヨーク市で発生する、局地的な時間の遅れ。「エイリアンが時間を盗んでいるんじゃない?」という有識者の適当な仮説を背負って、一介の刑事が原因の調査を始める。心霊術師や司祭も巻き込んで仮説の検証を進めるが、やがて時間だけではなく物質にまで影響が及びだし──。
J・P・ホーガンと言えばハードSF(個人的にはあまり読まないジャンル)のイメージがあったが、こちらは完全にユーモアSF。冗談みたいなストーリー展開は、一歩間違えれば火浦功にも通じるものがある。登場人物がことごとくすっとぼけているのも面白いし、必要以上に引き延ばさないで短く完結させている点も良い。時間が遅れている空間は赤方偏移で赤っぽく見える、というイメージもそれっぽい。こうした安定感は、さすがベテランといったところだろう。
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December 10th, 2007
12月8日に開催された、”flower voice scene. 36″ の雑感などを。
Yeux. : とても耳障りの良い JPOP。もっと曲数を聞いてみたいので、これからの活躍に期待。SHUUBI と『うららかな』のデュエットあり。
世理奈 : バラード。
小野綾子 : 見た目とは裏腹に、物凄く喋る人。本当によく喋っていた。本人曰く、「今日は喋りに来た」。ライブではカラオケがメインというスタイル。ライブで歌以外フルパートのカラオケを使うというのは、初めて見た。
SHUUBI : 言動こそ変な人だが、ライブでの盛り上がりっぷりは相変わらず素晴らしい。やはり『京都2001(系の何か)』→『うららかな』のコンボはテンションが上がる。今回は新曲もあり。随分とCD未収録曲も増えてきたので、そろそろ新譜を出してほしいところ。
“flower voice” はほぼ一年ぶりだったけど、やはりこのイベントは楽しい。次回のメンバーは SHUUBI、ハセガワミヤコ、拝郷メイコ、池田綾子、辻香織と、flower voice 的オールスターだそうなので、これは次も行かなければ。
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November 30th, 2007
Firefox ともあろうソフトウェアで、まさかこんな大きなデグレードが出てくるとは。Canvas を使っているサイトは希とは言え、Yahoo Email なども影響を受けているようだし、業務で使っている人もいて迷惑しているらしい。2.0.0.10 が結構重大なセキュリティアップデートだったのも痛かった。リリースと同時に早速入れた人も多かったことだろう。
世界で最もメジャーなオープンソースソフトウェアの一つだからそんな大きな不具合は出ないだろう、などと油断していてはいけないということか。
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November 21st, 2007
AMDの新GPUと新CPUの発表は残念な結果に終わったけど、Amazonの電子ブックリーダーも今一つのようだ。凄い勢いで伸びているAmazonのユーザーレビューでも評判は芳しくない。PDFが読めない、DRMが邪魔、Sprint圏外だと使いものにならない等の細かな欠点はあるが、何よりもこれで400ドルは高過ぎる、という点に尽きる。せめて200ドル、できれば100ドルを切らないと、一部の好事家以外に普及することはないだろう。
Sprintの通信料も全て本体価格込みにして(圏内なら)気にせず使える、という点は面白いが、それでこうも高くなってしまっては仕方が無い。普通にPC経由でコンテンツを同期という方式で、とりあえず第一世代としては十分だったのでは。まずは「本のiPod」を目指すべきところを、一足飛びで「本のiPhone」を狙ってしまったような気がする。
日本に入ってくるのはiPhoneよりも難しそうだけど、個人的に実用レベルで手頃な値段の電子ブックリーダーは出てきて欲しいので、第二、第三世代のKindleに期待しよう。
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November 19th, 2007
自作PCの素人と玄人の認識の齟齬を描いた迷質問として有名(たぶん)な、「手作りパソコンの価格が納得できません。」。教えて! gooで調べものの最中に、その2007年版とでも言うべき質問が。
Vistaの自作パソコンに20万って高くないですか? - 教えて!gooより引用:
パソコンは大きいしかっこいいとは言えません。
しかもEIZOとかいう画面で19インチとか言っていましたが、中国とか台湾あたりのどこかのメーカーの気がします。前のがシャープだったのでランクが下がった気もしてます。
一応頼んだのはVistaの一番上のソフトで、マイクロソフトのオフィスもパワーポイントがついてるものを頼みました。それを基本に作ると言ってました。
ペンティアムというのが言いと書いてあったのでそれを頼んだらかってにcoreduoというメーカーのE66というものみたいです。どのくらい性能がいいのか不明です。
PC530と書いてます。前のパソコンは512だったので大して変わっていません。
また、フロッピーを入れるところもなく代わりに勝手にDVDが見れるように変えられてて、割高な気がします。USBに書き込むのでいいのですが8こもついてて余分にいらない気がします。
友達の話ではDVDは書き込みもできるとのことですが頼んだ覚えはありません。テレビ録画もできるようにしたらしいですが、使い方もわからないし、家にDVDの録画できるのがあるので必要と感じません。
なんかいらないところでお金を取られてる気がしてます。
EIZO・カノープス・イオデータとかでシャープとか日立とかNECとかではなく三流メーカーばかりで不安です。
まあこの質問自体はジョークだとしても、いまどき初心者相手に自作PCを作ってあげる奇特な人もいないだろうなあ。DELLあたりで特価のセットを買わせれば済む話だし。
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November 12th, 2007
レイトショーにて、映画版『バイオハザード』の最新作を。ジャンルとしてはあまり恵まれていないゾンビ映画の中で、数少ないハリウッド大作とあれば、観に行かないわけにはいかないので。
いや、前作の時点で普通のゾンビだとミラ・ジョヴォヴィッチの敵になっていなかったので、今作はもう「ゾンビ映画」ではなくなっているかも、と心配していたのだが。思っていた以上にゾンビ映画らしいゾンビ映画になっていた。『死霊のえじき』や『ドーン・オブ・ザ・デッド』のオマージュっぽいシーンや、他にもゾンビ映画のお約束的展開が幾つもあり、個人的にはとても満足のいく内容。傑作とまではいかないまでも、良作のゾンビ映画として後世に評されることだろう。
一方『バイオハザード』としては、非常にこじんまりとした展開になっており、ややスケールダウン感は否めない。前作で大風呂敷を広げたものの、意外にその風呂敷は小さかったという感じ。90分枠にうまく収めたとも言えるが、それにしてもちょっとアンブレラ勢が不甲斐なさ過ぎる。まあ、ミラ・ジョヴォヴィッチの超人アクションの部分はゾンビ映画的にはノイズでしかないので、これはこれで構わないのだけど。
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November 4th, 2007
『ハウルの動く城』の原作者、ダイアナ・ウィン・ジョーンズの『九年目の魔法』を。1984年の作品。十歳の頃にまぎれ込んだ葬式をきっかけに、奇妙な記憶の食い違いを感じるようになった少女ポーリィと、彼女の空想話に付き合って英雄譚を考案するチェロ奏者の男リンとの物語。カテゴリー的には児童文学だが、現代を舞台に度が過ぎない程度の魔法と、微かな恋愛風味をミックスした、大人も読めるような内容となっている。
主役のポーリィとリンのキャラクターがともかくも魅力的で、その掛け合いや架空の設定作りは非常に面白い。魔法のロジックや場面描写が分かりづらい箇所が幾つかあるものの、雰囲気そのものはとても良く、全体として良作だと思う。あと、作中に主人公が読んでいる本が素晴らしい名作揃いで、本好きなら思わず顔がほころぶはず(『金枝篇』をティーンエイジャーが楽しんで読んでいるシーンだけは首を傾けるが)。
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