August 22nd, 2006
スパホラ五本目、『リアル・フレンド』。少女エストレヤは、レザーフェイスが心の友だちでスティーブン・キングが愛読書という、素敵な趣味の持ち主。そんなエストレヤの前に「現実」の危険な男が現れたとき、彼女の空想が本当のものになり──。
とまあ、開始十分で「空想の友だちがいざというときに助けてくれる」系の話だと読めてしまう作品。ただこの映画が特徴的なのは、その友だちが『悪魔のいけにえ』のレザーフェイスや『吸血鬼ノスフェラトゥ』のノスフェラトゥといった、世界中の誰もが知ってるホラー界のヒーローたちだという点だ。レザーフェイスがいつも主人公に寄り添い、学校の教室で座っていたり、彼女が落ち込んでいるときには不器用に慰めたりする様は、なかなか他の映画で観れるものではない。そんな「心の友だちはレザーフェイス」というネタ一点だけで一時間以上ひっぱる、ちょっと微妙なホラー中編。(★★)
ちなみに、世の中にはジェイソンVSレザーフェイスなんてものも。ただのチェーンソー振り回すだけの狂人が、宇宙からでも帰ってきたジェイソンに勝てるはずがない気もするけど、実際やられてるっぽい。
Posted in 映画 | No Comments »
August 19th, 2006
近ごろ流行りの八百長ブームを機に、積ん読本の地層からこんな本を。プロレスの元ベテラン・レフリーが打ち明ける、プロレスという名の格闘技、と言うかショーの真実。「相手に負けてもらえるよう駆けずり回って交渉した」「選手やレフリーがカミソリを隠し持って流血を演出した」「わざと襲撃事件をでっちあげて話題を呼んだ」といった裏事情が並びつつも、「ショーだと分かった上で楽しんで欲しい」というメッセージを込めた、ノンフィクション本。
まあ、今時プロレスが真剣勝負だと本当に信じて見ている人はいないだろうし、僕も実際見ていないが(プロレスそのものを)。それでも人がプロレスを見て楽しむのは、八百長だと分かっていながらも、「真剣勝負ということになっている」ことに納得しているからであろう。つまりプロレスとは、ジョージ・オーウェル流の二重思考が要求される、極めて近代的なエンターテインメントであると言える。
一方で亀田氏の試合があそこまでバッシングを受けたのは、「真剣勝負ということになっている」色の強いボクシングで、素人目に八百長としか思えない結果になってしまったからだ。もうこのあたりは興行側や選手たちの、「それらしく見せる」技量が足りなさすぎたと言わざるをえない。八百長なら八百長なりにもっと空気を読み、観客の求める展開を作るべきであったはずだ。例えば普通の判定で勝てそうにないなら、ゴングの合間にまぐれKO勝ちのシナリオを作って両選手に伝える、くらいの工夫をすべきだった。こうした点で、まだまだボクシングはプロレスに及ばないなあ、と思った次第。(★★★)
Posted in 本 | No Comments »
August 17th, 2006
スパニッシュ・ホラー・プロジェクト、四本目。古ぼけたアパートにやって来た若いカップルが、そこの管理人(オバサン)に襲われるという、それだけの話。本当にそれだけ。都会の集合住宅における入居トラブルがエスカレートしてどうこう、みたいな展開を想像していたけど。そんな社会的テーマは毛ほどもなく、開始十分後にはもう管理人が武器を持って追ってきている、それくらい余計な贅肉の無いB級ホラー映画。起「管理人が襲いかかってくる」、承「管理人から逃げまどう」、転「管理人に反撃する」、結「管理人に結局勝てない」、という感じ。
主人公たちがたまたま訪れた建物に異常者がいて追いかけてくる、なんて作品はそれこそ幾万とあるが、舞台のアパートがなかなか良い雰囲気を出しており、薄暗い灰色基調の画質と相まって、そのへんの100円ビデオセールのホラー映画とは一線を画している。とにもかくにもシンプルに、だが基本に忠実かつ丁寧に仕上げたB級ホラーの良作。『ダークネス』の監督だと後から知った。なるほど。(★★★)
Posted in 映画 | No Comments »
August 15th, 2006
スパニッシュ・ホラー・プロジェクトの三本目。ものすごく大雑把に言うと、老作家が故郷に戻って昔付き合っていた不思議な女のことを回顧する、という話。現在と過去を交互に描きつつ、過去の出来事とその真相が明らかになっていく、いわゆる「スティーブン・キングの老人昔話」系。
そんな、ジャンル的にはホラーだけどちょっと良い話っぽいあたりを狙ったのだろうけど。キング作品の魅力である、妙に細かいエピソードの描写や、やり過ぎ気味なハッタリに欠けており、どうにも地味で退屈という印象がぬぐえない。『トワイライト・ゾーン』系の30分枠ならともかく、この内容とオチで90分弱はちょっと厳しい。フランスの(クソ退屈な)芸術系映画だって全然平気、という人向け。(★★)
Posted in 映画 | No Comments »
August 14th, 2006
天然不思議系アイドル声優として人気急上昇中の、落合祐里香こと「ゆりしー」。そのゆりしー主催のライブが開催される、ということでその前売りチケットを購入。普段は声優系のイベントに行くことのない僕だが、この人のブログから漂うそこはかとない不幸/貧乏さに惹かれて。まあラジオも聞いてることだし。
で、発売日当日の販売開始10時、その5分遅れでローソンへ。「くそ、出遅れた」とか思わなかったわけでもないが、速攻で購入すると、60番台の整理番号に。発売直後に一桁台を取った人の話もあるので、この5分で60枚ものチケットが売れたのだろう。会場のShibuya eggmanは定員300人らしいから、十分に即日完売のペースだ。噂には聞いていたけど、本当に(一部の界隈で)人気あるんだ、と実感した次第。
ちなみに同日購入したマイナー系JPOPシンガーの雄、SHUUBIのライブチケットは、発売三週間後でありながら、整理番号50番台でした。SHUUBIがんばれ、超がんばれ。
Posted in 日常 | No Comments »
August 10th, 2006
『スパニッシュ・ホラー・プロジェクト クリスマス・テイル』
スパニッシュ・ホラー・プロジェクトの一編、『クリスマス・テイル』。人気の無い森の中で、子供たちは涸れ井戸に落ちたサンタ姿の女性を見つける。だがその女性は、実は逃走中の銀行強盗で……という導入部で『サンタが殺しにやってくる』や『悪魔のサンタクロース』とかのサンタ殺人鬼? と思っていたら。子供たちが女を井戸に閉じこめたままいびり殺したら、女サンタがゾンビとなって襲ってくる、というスパニッシュ・ゾンビ映画でした。
で、色々あって子供たちは女ゾンビを撃退して井戸に落とし、「今日のことは絶対だれにも言わないこと」と固く誓い合って解散する。と、スティーブン・キングなら絶対に三十年後あたりに再び事件が起こりそうな展開だけど、そこは中編テレビ映画のこと、その日のうちに女ゾンビが復活して子供たちを血祭りに上げる。そんな感じの、すっきりした後味の小品だった。
個人的には、子供たちがゾンビ退治の参考にする作中のゾンビ映画(『フラッシュ・ゴードン』時代っぽいチープな感じの)や、鉢巻きを巻いて窓ふき訓練している男子(『ベスト・キッド』?)あたりが失笑どころ。(★★★)
Posted in 映画 | No Comments »
August 7th, 2006
スペインの中堅どころの映画監督が揃いも揃ってホラー映画を撮るという、スパニッシュ・ホラー映画ファンにとってはたまらない(それ以外の人にとっては割とどうでもいい)企画、スパニッシュ・ホラー・プロジェクト。その作品の一つの『ベビー・ルーム』を。
いわくつきの家を買ったら子供部屋に何かいて、それがどうやら監視カメラのモニタにしか映らず、どういうことかと調べていたら平行世界に迷い込んで、そこにいた殺人者の正体が実は……という感じの幽霊屋敷系超自然スリラー。それっぽく理屈を説明する場面がなかなか微妙で、
「シュレディンガーの猫を知っているか?」
「(略)猫を助けるには?」
「不可能だ。下手をすると自分が箱の中に閉じこめられる」
スペインあたりでは、シュレディンガーの猫はそういう話だと思われているのだろうか。
まあ、作品自体はそれなりに。ビデオカメラにだけ違う姿の屋敷が映る、という他のホラー映画幾つかで観た気がしないでもないギミックを、そこそこ効果的に使っている。低予算テレビ映画という枠で観れば、十分満足のいくレベル。(★★★)
Posted in 映画 | No Comments »
August 4th, 2006
ちょっと遅めのエイプリル・フール? かと思った新作ゲーム情報、『名探偵エヴァンゲリオン』。
一見コラージュ系サイトの嘘情報みたいけど、ゲーマーズの公式サイトなので本当に製作しているっぽい。名探偵に腕時計、謎の殺人鬼「死徒」といった商品説明や、シンジ(?)がチェロを弾く横で等身大零号機が踊っているスクリーンショットを見る限りでは、一片の曇りの無いクソゲーだと予想されるが。そこはあのガイナックス+ブロッコリーのこと、きっと期待を裏切り予想を裏切らないゲームになることだろう。
ゲームの出来はどうあれ、多分五年後ぐらいに「いやあ、エヴァのゲームも色々出たけど、昔『名探偵エヴァンゲリオン』ってあったの知ってる? エヴァがボウリングしたりダンレボしたりするやつ。いや、嘘じゃないって。本当にあったんだって!」と軽く嘘吐き扱いされるネタにはなりそう。いや、買わないけど。
Posted in ネタ | No Comments »
August 1st, 2006
ようやく遂に、やっとのことで、ネット開通。
引っ越しして一月と少し。今日に至るまでブロードバンドのブの字も無い環境で過ごすことになるとは、思いもよらなかった。おかげで随分と長い間、現実世界に引きこもってしまった。
このネット時代のご時世、ブロードバンド回線はもはや第二のライフラインと言っても過言ではない。それ無しで暮らすことは、例えればガス無しで生活することにも等しい(どちらかと言えば、ガスが無い方がまだ文化的生活に耐えうる)。特に僕のような、今日の天気から英単語一つに至るまでネットに調べていたネット・ジャンキーにとっては、冗談ではなく日常生活レベルで不便を強いられていた(空模様を見るためにカーテンを開けたり、英単語を調べるために辞書をひっぱり出してきたり、等々)。
だが、そんな生活も今日で終わりだ。これからは現実世界を離れて、手元の数台のPCだけでほとんどの行動が完結する、そんな日々が始まるだろう。これこそ現代における、健康で文化的な最低限度の生活というものだ。
あと、猫はじめました。
Posted in 日常 | No Comments »
June 29th, 2006
Posted in 日常 | No Comments »