“Lucky Number Slevin”
機内で見た映画四本目、『ラッキー・ナンバー7』。知人宅を訪れた主人公のスレヴィンは、その知人と間違われて街のマフィアの抗争に巻き込まれてしまう。チンピラには小突かれ、警察からは怪しまれつつも、マフィアから強要された殺しの標的のもとを訪れるが、そこにプロの殺し屋(ブルース・ウィルス)が現れて──。
まず特筆すべきは、序盤からスレヴィンが全裸+タオル一枚の姿で現れ、パンツを履く間も無く延々と小突き回される点だろう。主人公がどうやって窮地を切り抜けるかよりも、主人公がいつパンツを履けるのかの方が気になる映画なんて、そうそうあるものではない。かと言って、ただの巻き込まれ型コメディとしてぼんやり観ていると、終盤ざっくりとひっくり返されるので、なかなか油断ならない。傑作サスペンスというほどではないし、映画館に観に行くタイプの作品でもないけど、一風変わったクライム・サスペンスとしてそれなりの佳作ではあると思う。(★★★★)
主演のジョシュ・ハートネットは、三枚目不幸キャラの主人公として文句無し。対立し合うマフィアのボスに、安っぽい感もあるモーガン・フリーマンと、まだまだいけてるベン・キングズレー。そして、無口でほとんど動かない/喋らない殺し屋という(いつも通りすごく楽な)役に、ブルース・ウィルス。ここまではいいのだけど、話をかき回すアーパー系ヒロイン(言うなればキャメロン・ディアスあたりが似合いそうな)役が、ルーシー・リューという点にすごく違和感あり。『チャーリーズ・エンジェル』『キル・ビル』の印象が強すぎたからかなあ。