『スパニッシュ・ホラー・プロジェクト 悪魔の管理人』
スパニッシュ・ホラー・プロジェクト、四本目。古ぼけたアパートにやって来た若いカップルが、そこの管理人(オバサン)に襲われるという、それだけの話。本当にそれだけ。都会の集合住宅における入居トラブルがエスカレートしてどうこう、みたいな展開を想像していたけど。そんな社会的テーマは毛ほどもなく、開始十分後にはもう管理人が武器を持って追ってきている、それくらい余計な贅肉の無いB級ホラー映画。起「管理人が襲いかかってくる」、承「管理人から逃げまどう」、転「管理人に反撃する」、結「管理人に結局勝てない」、という感じ。
主人公たちがたまたま訪れた建物に異常者がいて追いかけてくる、なんて作品はそれこそ幾万とあるが、舞台のアパートがなかなか良い雰囲気を出しており、薄暗い灰色基調の画質と相まって、そのへんの100円ビデオセールのホラー映画とは一線を画している。とにもかくにもシンプルに、だが基本に忠実かつ丁寧に仕上げたB級ホラーの良作。『ダークネス』の監督だと後から知った。なるほど。(★★★)