『スパニッシュ・ホラー・プロジェクト ベビー・ルーム』
スペインの中堅どころの映画監督が揃いも揃ってホラー映画を撮るという、スパニッシュ・ホラー映画ファンにとってはたまらない(それ以外の人にとっては割とどうでもいい)企画、スパニッシュ・ホラー・プロジェクト。その作品の一つの『ベビー・ルーム』を。
いわくつきの家を買ったら子供部屋に何かいて、それがどうやら監視カメラのモニタにしか映らず、どういうことかと調べていたら平行世界に迷い込んで、そこにいた殺人者の正体が実は……という感じの幽霊屋敷系超自然スリラー。それっぽく理屈を説明する場面がなかなか微妙で、
「シュレディンガーの猫を知っているか?」
「(略)猫を助けるには?」
「不可能だ。下手をすると自分が箱の中に閉じこめられる」
スペインあたりでは、シュレディンガーの猫はそういう話だと思われているのだろうか。
まあ、作品自体はそれなりに。ビデオカメラにだけ違う姿の屋敷が映る、という他のホラー映画幾つかで観た気がしないでもないギミックを、そこそこ効果的に使っている。低予算テレビ映画という枠で観れば、十分満足のいくレベル。(★★★)