Archive for November, 2007
[メモ] Amazonの電子ブックリーダーはやや期待外れ。
Wednesday, November 21st, 2007 AMDの新GPUと新CPUの発表は残念な結果に終わったけど、Amazonの電子ブックリーダーも今一つのようだ。凄い勢いで伸びているAmazonのユーザーレビューでも評判は芳しくない。PDFが読めない、DRMが邪魔、Sprint圏外だと使いものにならない等の細かな欠点はあるが、何よりもこれで400ドルは高過ぎる、という点に尽きる。せめて200ドル、できれば100ドルを切らないと、一部の好事家以外に普及することはないだろう。
Sprintの通信料も全て本体価格込みにして(圏内なら)気にせず使える、という点は面白いが、それでこうも高くなってしまっては仕方が無い。普通にPC経由でコンテンツを同期という方式で、とりあえず第一世代としては十分だったのでは。まずは「本のiPod」を目指すべきところを、一足飛びで「本のiPhone」を狙ってしまったような気がする。
日本に入ってくるのはiPhoneよりも難しそうだけど、個人的に実用レベルで手頃な値段の電子ブックリーダーは出てきて欲しいので、第二、第三世代のKindleに期待しよう。
[ネタ] 2007年版「手作りパソコンの価格が納得できません。」
Monday, November 19th, 2007自作PCの素人と玄人の認識の齟齬を描いた迷質問として有名(たぶん)な、「手作りパソコンの価格が納得できません。」。教えて! gooで調べものの最中に、その2007年版とでも言うべき質問が。
Vistaの自作パソコンに20万って高くないですか? - 教えて!gooより引用:
パソコンは大きいしかっこいいとは言えません。
しかもEIZOとかいう画面で19インチとか言っていましたが、中国とか台湾あたりのどこかのメーカーの気がします。前のがシャープだったのでランクが下がった気もしてます。
一応頼んだのはVistaの一番上のソフトで、マイクロソフトのオフィスもパワーポイントがついてるものを頼みました。それを基本に作ると言ってました。ペンティアムというのが言いと書いてあったのでそれを頼んだらかってにcoreduoというメーカーのE66というものみたいです。どのくらい性能がいいのか不明です。
PC530と書いてます。前のパソコンは512だったので大して変わっていません。
また、フロッピーを入れるところもなく代わりに勝手にDVDが見れるように変えられてて、割高な気がします。USBに書き込むのでいいのですが8こもついてて余分にいらない気がします。
友達の話ではDVDは書き込みもできるとのことですが頼んだ覚えはありません。テレビ録画もできるようにしたらしいですが、使い方もわからないし、家にDVDの録画できるのがあるので必要と感じません。
なんかいらないところでお金を取られてる気がしてます。
EIZO・カノープス・イオデータとかでシャープとか日立とかNECとかではなく三流メーカーばかりで不安です。
まあこの質問自体はジョークだとしても、いまどき初心者相手に自作PCを作ってあげる奇特な人もいないだろうなあ。DELLあたりで特価のセットを買わせれば済む話だし。
[映画] 『バイオハザードIII』
Monday, November 12th, 2007 レイトショーにて、映画版『バイオハザード』の最新作を。ジャンルとしてはあまり恵まれていないゾンビ映画の中で、数少ないハリウッド大作とあれば、観に行かないわけにはいかないので。
いや、前作の時点で普通のゾンビだとミラ・ジョヴォヴィッチの敵になっていなかったので、今作はもう「ゾンビ映画」ではなくなっているかも、と心配していたのだが。思っていた以上にゾンビ映画らしいゾンビ映画になっていた。『死霊のえじき』や『ドーン・オブ・ザ・デッド』のオマージュっぽいシーンや、他にもゾンビ映画のお約束的展開が幾つもあり、個人的にはとても満足のいく内容。傑作とまではいかないまでも、良作のゾンビ映画として後世に評されることだろう。
一方『バイオハザード』としては、非常にこじんまりとした展開になっており、ややスケールダウン感は否めない。前作で大風呂敷を広げたものの、意外にその風呂敷は小さかったという感じ。90分枠にうまく収めたとも言えるが、それにしてもちょっとアンブレラ勢が不甲斐なさ過ぎる。まあ、ミラ・ジョヴォヴィッチの超人アクションの部分はゾンビ映画的にはノイズでしかないので、これはこれで構わないのだけど。
[本] ダイアナ・ウィン・ジョーンズ『九年目の魔法』
Sunday, November 4th, 2007 『ハウルの動く城』の原作者、ダイアナ・ウィン・ジョーンズの『九年目の魔法』を。1984年の作品。十歳の頃にまぎれ込んだ葬式をきっかけに、奇妙な記憶の食い違いを感じるようになった少女ポーリィと、彼女の空想話に付き合って英雄譚を考案するチェロ奏者の男リンとの物語。カテゴリー的には児童文学だが、現代を舞台に度が過ぎない程度の魔法と、微かな恋愛風味をミックスした、大人も読めるような内容となっている。
主役のポーリィとリンのキャラクターがともかくも魅力的で、その掛け合いや架空の設定作りは非常に面白い。魔法のロジックや場面描写が分かりづらい箇所が幾つかあるものの、雰囲気そのものはとても良く、全体として良作だと思う。あと、作中に主人公が読んでいる本が素晴らしい名作揃いで、本好きなら思わず顔がほころぶはず(『金枝篇』をティーンエイジャーが楽しんで読んでいるシーンだけは首を傾けるが)。