Archive for the '映画' Category


[映画] 『サウンド・オブ・サンダー』

Friday, May 4th, 2007
サウンド・オブ・サンダー デラックス版

サウンド・オブ・サンダー
ピーター・ハイアムズ
エドワード・バーンズ
キャサリン・マコーマック
『サウンド・オブ・サンダー』
J・G・バラ ード ブ ラッドベリの原作 『サウンド・オブ・サンダー』

[映画] Ghost House Pictures の掌編映画。

Tuesday, May 1st, 2007

 ”The Grudge”や”Boogeyman”を撮った映画スタジオ、Ghost House Pictures。さすがは『死霊のはらわた』サム・ライミの総指揮だけあって、低予算の割にそこそこのヒットを飛ばしている(”The Evil Dead”をリメイクするって本当?)。
 その Ghost House Pictures が製作に関わっている、2~3分の超短編映画集。

http://ghosthousepictures.comingsoon.net/original_content.php

 尺の都合もあって大体が他愛も無い話だけど、”Mouse Trap”はちょっと面白い。

[映画] 『ブギーマン』

Monday, April 30th, 2007
ブギーマン

ブギーマン
バリー・ワトソン
エミリー・デシャネル
『ブギーマン』

[映画] 『コロンバインの空に』

Sunday, April 29th, 2007
『コロンバインの空に』

[映画] 『リバティーン』

Tuesday, April 10th, 2007
リバティーン

リバティーン
ジョニー・デップ
ローレンス・ダンモア
サマンサ・モートン
HeartRails Graph

[映画] 『妖怪大戦争』

Saturday, April 7th, 2007
妖怪大戦争 DTSスペシャル・エディション (初回限定生産)
神木隆之介 三池崇史 宮迫博之

妖怪大戦争 DTSスペシャル・エディション (初回限定生産)
角川エンタテインメント 2006-02-03
売り上げランキング : 17711

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[映画] 『2001人の狂宴』

Saturday, January 27th, 2007

 ホラー映画ファンなら誰もが知ってる(ホラー映画ファン以外は誰も知らない)スプラッタ映画界の巨匠、ハーシェル・ゴードン・ルイス。1960年代に誰よりも早くスプラッタ映画を手がけ、70年代のフーパーやクレイヴンらが起こしたブームにも大きな影響を与えたルイスの作品は、今なおその歴史的価値を高く評価されている(あくまで歴史的な価値のみ)。
 そのルイスの作品でも、比較的に良作とされる『2000人の狂人』、原題は “2000 Maniacs”。100年前に北軍によって滅ぼされたアメリカ南部の村人が、北部の人間憎さに亡霊となって、村を通りかかった現代の若者たちを虐殺する、という思いつきだけで作ったルイス初期のスプラッタ作品だ。
 『2000人の狂人』に、ストーリーや演出、演技の面で観るべき部分は全く無く(強いて挙げれば、30人くらいしか出てこないのに「人口2000人」という看板一つで「2000人も狂人がいるんだ」と思わせるあたり)、総合的に見てつまらない映画であることは否めない。ただ、ルイス監督のスプラッタにかける情熱は素晴らしく、犠牲者となる男女を手足をそれぞれ四頭の馬につないで引きちぎって殺したり(南部っぽい)、釘を内側に打ち込んだ樽に詰めて丘から転がして殺したり(南部っぽい?)、創意工夫をこらして観客を楽しませようとしていて、それなりに記憶に残る作品ではあった。
 それにしても今思えば、若い男女のグループ(大体七、八人)が殺人鬼のいるテリトリーに迷い込む→一人ずつ色んな方法で殺される→主人公の一人または二人が何とか生き延びる(またはラストで死ぬ)という現代ホラー映画のテンプレートは、既にこの頃には完成していたわけで、やはりルイス監督は凄かったんだと言うべきだろう。作品全体の出来はともかくとして。
 そんな『2000人の狂人』のファン待望のリメイクが、今頃になって登場。題名も新たに、”2001 Maniacs”、邦題は『2001人の狂宴』(一人増えてる!)。21世紀にもなって新しい『2000人の狂人』が出てくるとは思ってなかったが、一応ホラー映画ファンの端くれの身としては、見過ごすこともできまい。主演はロバート・イングランド(フレディの中の人)だし。

2001人の狂宴
ティム・サリヴァン クリス・コービン ロバート・イングランド

2001人の狂宴
ジェネオン エンタテインメント 2006-07-07
売り上げランキング : 18197

 結論から言えば、割と普通のスプラッタ映画だった。演技も演出も普通にできてるし、スプラッタシーンもそこそこ良くできている。馬に手足をつないで引っ張るくだりもちゃんとある(釘つき樽は無かった気がするなあ)。だが、普通にそこそこできているせいで、逆に原作が持つろくでもなさ、ぐだぐだ感と言った個性が欠落しており、そのせいか、このリメイク版は普通のホラー映画以上のインパクトが無い。僕が『2000人の狂人』を観たときに抱いた嫌悪感は、こんなものじゃなかった。あの旧作では、村人たちが特に演技をするでもなく適当にスプラッタ場面に登場しており、そのとってつけた感が逆に狂人っぽくて良かった。一方この『2001人の狂宴』では、台本通りまともに演じるエキストラを使って、何の違和感も無く観れる出来になってしまっている。それに、脚本には何と主人公VSロバート・イングランドというクライマックスさえ用意されている! こんなストーリーの盛り上がりなど、本物のルイス作品ではまずあり得ないことだ。これだけ観れば、一般人にも無理なく勧められる良心的な出来映えのスプラッタ映画なのだけど、それ故に元の怪作ぶりには遠く及ばないのが残念。(★★★)
 それにしても、スプラッタ映画というジャンルは、ピーター・ジャクスンの『ブレインデッド』がとどめを刺してしまったように思う。あれ以降、進歩がまるで見られない気がするけど、果たしてスプラッタ映画に新たなブレイクスルーは現れるのだろうか。

[映画] 『四日間の奇蹟』

Monday, January 8th, 2007

 若手ピアニストだった主人公は、留学先で事件に巻き込まれた少女をかばって左手の薬指を失ってしまう。ピアニストの道を断念した彼は、両親を失ったそのときの少女を引き取るが、やがて彼女のサヴァン症候群によるピアノの才能を見出し、彼女と各地を演奏して回ることに。そこでとある療養所に訪れた二人は、主人公の高校の後輩に再会するが、落雷事故によりその後輩は重傷を負い、しかも少女と心が入れ替わってしまう。致命傷を負ったもとの体に残された時間は四日間。後輩は人生を見つめ直し、最期に主人公のピアノがもう一度聴きたいと告げ、主人公は少女の体を借りてついにもう一度ピアノを弾く。ベートーベンの『月光』第一楽章を。

四日間の奇蹟
佐々部清 砂本量 吉岡秀隆

四日間の奇蹟
東映 2005-11-21
売り上げランキング : 7071

おすすめ平均 star
star少し物足りないかな
star奇蹟が物語に必要だったと思えない
star映像ならではの演出

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 と言うメルヘンな感動系の邦画ではあるものの。これを観た全国のピアノ経験者は、こう思ったはずだ。「『月光』第一楽章って左手の薬指いらなくね?」 そんな、内容的にはまあ普通だが、要所を飾るピアノの選曲がちょっと微妙な作品。(★★)

[映画] 『ロゼッタ』

Saturday, December 9th, 2006

 貧しい生まれのティーンエイジ、ロゼッタ。住まいはトレーラーハウス、母親はアル中のホワイトトラッシュ、仕事もなかなか見つからず、長靴で魚を釣ったりして飢えを凌ぐ日々。そんな彼女の日常の一部分、仕事をクビになるシーンから始まり、なんとかありついた別の仕事もやっぱり辞めることになってしまうまでの、鬱々とした抑揚の無い顛末を描いたベルギー=フランス映画。1999年のパルム・ドール賞作。

ロゼッタ
ジャン=ピエール・ダルデンヌ リュック=ピエール・ダルデンヌ エミリー・ドゥケンヌ

ロゼッタ
ジェネオン エンタテインメント 2000-10-27
売り上げランキング : 40160

おすすめ平均 star
star同情するなら職をくれ
star作業している時の心理
star人間描写の巧妙さの光る奇跡的映画。

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 撮影は手持ちカメラで、演出も音楽も皆無のドキュメンタリー風。ストーリーらしいストーリーも無く、なんとか自力で生きていこうとするロゼッタに淡々と降りかかる災難を、ものすごく悲劇的というわけでもなく、けれども十分に痛々しいトーンで撮り続けていくという、あまり普通の人にはお勧めできない内容だ。ラース・フォン・トリアーから映像美を除いて、アキ・カウリスマキからユーモアを取り去ったような作風と思えば、まあ大きくは間違っていないだろう。
 一見するとものすごく退屈な映画に見えるが、それでもジャック・リベットに比べればどうということもなく、ヨーロッパ映画ファンなら普通に楽しく鑑賞できるラインだろう。それよりも貧困生活の空気感や、ロゼッタ役のエミリー・デュケンヌの演技はかなりのもの。また、こうした起承転結の無い話を綺麗に終わらせるのはいかにも難しそうだが、この『ロゼッタ』のラストシーンとその締め方は見事だと思う。(★★★★)

[映画] 『オリバー・ツイスト』

Wednesday, November 29th, 2006

 チャールズ・ディケンズの代表的作品の一つ、『オリバー・ツイスト』。かなり昔に読んだせいか、イメージが『二都物語』や『デイヴィッド・コパフィールド』や『大いなる遺産』とごっちゃになりがちな古典小説を、巨匠ロマン・ポランスキーが映像化。

オリバー・ツイスト
ロナルド・ハーウッド ロマン・ポランスキー バーニー・クラーク

オリバー・ツイスト
ポニーキャニオン 2006-06-30
売り上げランキング : 14337

おすすめ平均 star
star作り方が勿体無いけれども、素晴らしい映画です!
star起伏なし・テンポ遅い・・・
star普通の子供映画とは目線が違う

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 まず19世紀ロンドンを再現したプラハ撮影の映像は、文句なく素晴らしい。偏執狂のポランスキーだけあって、セットのディテールにかけては全く容赦が無い。老若男女が混在する役者陣も実力派揃いで、特にフェイギンを演ずるベン・キングズレーの存在感は見事。状況に流されがちで影も幸も薄い主人公オリバー・ツイスト(バーニー・クラーク)に比べて、フェイギンは最期まで憎みきれない小悪党っぷりで観客を魅了する。原作が原作で変な脚色も無いため(ポランスキーだし)話が古臭いのは否めないが、それを差し引いても普通に良い映画ではある。(★★★★)
 ではあるけれども、昔のポランスキー作品を知る身としては、最近の「普通に感動」路線はちょっと残念だ。ポランスキーの昔の作品には傑作パラノイア映画が揃っており(例えば『ローズマリーの赤ちゃん』や『反撥』)、他のまともな神経を持った監督では真似できない代物だった。特に『テナント/恐怖を借りた男』の病んだ感性は本当に素晴らしく、この映画をポランスキーの最高傑作に推す人も少なくない(日本でも五人は下らないだろう。僕を含めて)。『戦場のピアニスト』『オリバー・ツイスト』みたいな普通の良作は他人に任せて、早く昔のパラノイア路線に戻ってきて欲しいのだけれど。